多くの女性は月経周期にともない心身に周期的に発現する変調や不調を自覚したことがあると思います。月経が近づくとイライラしたり落ち込んだり、胸が張ったりむくんだり肌が荒れたりと症状はさまざまですが、月経の始まりとともに消失し、次の月経が近づいてくると再び現れるのが月経前症候群です。日常生活に支障が出るほど症状が強い場合には治療が必要と考えられます。
まずはPMSチャートといわれるチェックリストで客観的に評価します。治療の第一歩は自分の状態をよく知ることです。クリニックでは、カウンセリングによる生活の改善の指導から対症療法、ホルモン療法、漢方療法など、おひとりおひとりの症状や生活スタイルに合わせた治療を行います。がまんしている必要はないのだということをまずは知っていただきたいと思います。
当クリニックでは不妊症の検査・治療を関連の専門医療施設と協力しておこなっています。
不妊症相談、不妊症スクリーニング検査、一般的不妊治療(タイミング指導、排卵誘発、ホルモン療法、漢方療法)および人工授精(AIH)までは当クリニックでおこないます。
その先の腹腔鏡検査や体外受精、顕微受精は紹介先の高度医療機関でおこないます。その際も排卵誘発の注射等は当クリニックでおこないます。
また、遠方の不妊治療施設にすでにおかかりの方の注射や採血のみのご要望にもお応えいたしますのでぜひ御相談ください。
生理痛、下腹痛・腰痛などで受診されたとき、婦人科系の疾患が見つかることがよくあります。当クリニックの特徴は、院長がごく最近まで大学病院に勤務しており、適切な高度医療を提供できる施設をただちに御紹介できるということです。大きな病院でも、その得意とする分野は微妙に異なります。ひとりひとりの疾患や病態にとって、もっとも適切と思われる施設をいつでも御紹介させていただきます。
また、他の病院ですでに診断を受けた方のセカンドオピニオンのための受診も歓迎しています。十分に納得してから治療を受けることは、病気と闘う上でとても大切なことです。
経口避妊薬(低用量ピル)
正しく内服すれば最も確実な避妊法です。10代の方から40歳頃の方まで使用できます。現在は第2世代3相性ピルが主流でホルモン含有量が少なくなり安全に使用できるようになってきましたが、初回処方前には禁忌事項に該当しないか検診(ピル検診)を受けていただきます。問診、血圧測定と必要に応じて超音波検査等をおこないます。検診で問題なければ、あとは1日1錠の錠剤を飲み続けるだけです。最近では飲み忘れのないようにパッケージにも工夫がこらしてあります。
※この治療は健康保険が使えないため自費診療となります。費用は初診時のみピル検診料として約5,000円が必要ですが、あとは毎月2,570円の薬代のみです。
子宮内避妊具(IUD)
お産をされたことのある方はIUDも便利です。ピルのように毎日内服する必要もありませんし、禁忌事項もわずかです。しかし避妊効果はピルには及びませんので、確実な避妊のためには他の避妊法を併用することをお勧めします。受精は成立するものの着床を阻害するという理論のため、初回の挿入は月経直後でなければなりません。あとは2~3年に1回の入れ替えが必要です。
※この治療は健康保険が使えないため自費診療となります。費用は初回挿入時はIUD器具代と初診料を含めて約35,000円、不要となった時の抜去時は約20,000円です。
避妊に失敗した! そんな時は72時間以内にご来院頂ければ緊急避妊ピルを処方いたします。
これまで緊急避妊法として広く使用されてきたのはYuzpe法と呼ばれるものです。
排卵日前後に無防備な性交をしたとき、その72時間以内にエストロゲンとプロゲステロンを服用し、さらにその12時間後に同量を服用することで、その性交により本来妊娠してしまう女性の70%~90%が妊娠を回避できます(性交渉の時期や避妊の不確かさにより効果は大きく異なります)。
簡単な問診のみで処方いたしますので、内診等の診察の必要はありません。
※この治療は健康保険が使えないため自費診療となり、費用は初診料を含めて約4,000円です。
最近では、新しい緊急避妊薬として厚生労働省が承認した「ノルレボ錠」が発売になりました。
従来の緊急避妊法と比較すると、性交後72時間以内に1回の服用でよく、妊娠阻止率が向上しており、副作用としての吐き気や嘔吐の発現率もかなり低くなっています。しかしながら、国の設定した金額が、かなり高価です。
この場合も簡単な問診のみで処方いたしますので、内診等の診察の必要はありません。
※この治療は健康保険が使えないため自費診療となり、費用は初診料を含めて約14,000円です。
月経が大切な予定と重なると予想されるときには、月経を移動させることができます。
生理を遅らせるためには、月経予定日の5日前から生理になってもよい日の前日まで内服を続けます。
生理を早めるためには、生理の5日目から10日間内服して生理を誘導します。
月経を遅らせる方法の場合は大切な予定の時期に薬を飲み続けている必要があります。
もし早くから予定がわかっているときには前の周期で月経をずらしてしまえば、大切な予定の時期に内服しないですみます。
早くから予定が決まっている場合には、移動方法の選択肢がひろがりますので、早めの相談をお勧めします。
簡単な問診のみで処方いたしますので、内診等の診察の必要はありません。
※この治療は健康保険が使えないため自費診療となり、費用は初診料を含めて約4,000円です。
子宮頸がんは「予防できる」がんです。
子宮頸がん予防ワクチンは、子宮頸がんの原因となりやすいHPV 16型とHPV 18型のウイルスに対する抗体をつくらせるワクチン「サーバリックス」です。海外ではすでに100カ国以上で使用されています。日本では2009年10月に承認され、2009年12月22日より一般の医療機関で接種することができるようになりました。
また、2011年8月26日には、HPV6型、11型、16型、18型の4つのタイプのウィルスの感染予防に有効な「ガーダシル」というワクチンが発売されました。
日本ではサーバリックスの発売が先行されましたが、海外ではガーダシルが主流です。
どちらを打たれるかはそれぞれのワクチンの特性を判断して決めるのがよいと思います。
感染を防ぐために3回のワクチン接種で、発がん性HPVの感染から長期にわたってからだを守ることが可能です。 しかし、このワクチンは、すでに今感染しているHPVを排除したり、子宮頸部の前がん病変やがん細胞を治す効果はなく、あくまで接種後のHPV感染を防ぐものです。
接種前に内診等の診察は不要で、簡単な問診のみでその場で接種できますので、学生や未婚の方でも不安なく接種可能です。
※健康保険が使えないため自費診療となります。1回の接種は16,800円(税込み)で、3回の接種が必要です。
世田谷区民で一定の年齢の方には公費補助制度があります。当院も公費補助担当施設に指定されています。
しかしながら、2016年8月現在もまだ、厚生労働省は「子宮頸がん予防ワクチンの積極的な摂取推奨を差し控える」という立場を変えていません。
世田谷区子宮がん検診
当クリニックは世田谷区の健診事業に参加しておりますので、世田谷区にお住まいの方は、公費で子宮がん検診をおこなっております(頚がん;800円、体がん;1000円)。40歳以上の方は、世田谷区乳がん検診もご利用になれます。
詳しくは、下記の事業所にお問い合わせください。
世田谷保健所健康推進課 電話:5432-2447
玉川保健福祉センター健康づくり課 電話3702-1948
ご結婚前に女性としての健康診断をお受けになってはいかがでしょうか?
特に御妊娠を予定している方は、妊娠に影響する疾患の有無を含めて、妊娠する前に検査をしておくことが大切です。妊娠してから検査治療するのでは遅い疾患もあります。
検査内容は、血圧・心電図・血液検査(貧血、肝臓機能、膵臓機能、腎臓機能、栄養状態、中性脂肪、血糖、痛風)・感染症(B型肝炎、C型肝炎、梅毒、エイズ、クラミジア)・子宮がん検診・卵巣検診・超音波検査などです。
職場で定期的に健診を受けている方は、これらの中から必要な項目のみを選択して検査すればよいでしょう。
※これらの検査は健康保険が使えないため自費診療となり、費用はすべての項目を受けると初診料を含めて約30,000円です。項目を減らした場合はその分の費用とみとなりますので料金はお問い合わせください。